結婚とは?恋愛とは何が違うのか、結婚で変わることとは

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「結婚」と「恋愛」は、似た言葉なようで同じ意味を持つ言葉ではありません。人それぞれ考え方が異なるため、完全に区分することは難しいかもしれませんが、明確に挙げられる違いもあります。この記事で結婚の意味や結婚により変わること、恋愛との違いについて言及し、言葉の違いが整理できるように解説していきます。

結婚とは

「結婚」は、男女が婚姻に関する合意をした上で婚姻届を提出することで成立するものです。この婚姻届に関しては方式等が戸籍法に定められていて、結婚したかどうかは戸籍に記載されることで明確化されます。
少し言い換えると、「法律的に夫婦になることである」とも表現できるでしょう。

結婚と恋愛との違い

恋愛に関しては、結婚ほど厳密な定義はありません。また、「結婚をしているかどうか」は容易に判別がつくものの、「恋愛をしているかどうか」の判別は容易とは言えません。

誰かを好きになること、あるいは両思いになることを指して恋愛と呼ぶ人もいます。なかなか、どこから恋愛と呼ぶのかは難しいところです。

ただ、結婚と恋愛の違いについては以下の点で大きな違いがあると言えます。

結婚は届出が必要

結婚をするには届出が必要です。民法第739条第1項に以下の規定が置かれていることからも明らかです。

婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
引用:e-Gov法令検索 民法第739条第1項(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)

これに対して、恋愛をするのに届出など手続を行う必要はありません。
ただ、ある種恋愛と結婚の間に位置するとも考えられる「内縁」と呼ばれる状態もあります。本来結婚に伴う法令の適用は届出をしなければならないのですが、実質的に夫婦の関係にある場合にはこれを内縁として婚姻に準ずるものと扱われるケースがあります。そうすると、届出をしていないにも関わらず夫婦のようになるという例外もあります。

結婚は18歳以上でなければできない

恋愛をするのに年齢は関係ありません。「何歳なら恋愛が可能」といった制限などありません。

しかし結婚には年齢制限があります。民法第731条にて以下の規定が置かれています。

婚姻は、十八歳にならなければ、することができない。
引用:e-Gov法令検索 民法第731条(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)

法律上、結婚ができる年齢として「婚姻適齢」を設け、これを18歳と定めています。なお18歳とは、2022年4月1日以降は成年者を意味します。長らく20歳から成年者になるとされてきましたが、法改正により18歳に引き下げられました。飲酒や喫煙など、一部20歳のまま維持される規定もありますが、基本的には18歳から大人として法律行為もできるようになります。婚姻適齢に関しては、従前、女性は16歳とされていましたがこの法改正に合わせて18歳にまで引き上げられています。つまり「男女ともに18歳から結婚が可能」と統一されたのです。

結婚は複数人と同時にできない

恋愛をすること、恋愛感情を持つことは複数人に対しても可能です。交際関係にある場合を指して恋愛と呼ぶなら、複数人と同時に交際することに問題はあるかもしれませんが、「できない」ものではありません。

これに対し、結婚は原則として他の人と同時にすることが「できない」ものです。婚姻を重ねることを「重婚」と呼ぶのですが、法律上も重婚は禁じられています。民法にて重婚は「できない」とされていることに加え、刑法では重婚をしたときには「刑罰に科す」旨規定されています。
なんと重婚は、最大で2年もの懲役刑に処される可能性がある犯罪行為なのです。実際のところ重婚の発覚で即座に刑務所に入れられるということは考えにくいですが、相当悪質な場合には実刑となる可能性があることは知っておくべきでしょう。

結婚は一定期間を空けなければ再度できない

恋愛は複数同時進行すること自体が妨げられない以上、「前の恋愛と次の恋愛に一定期間を空けなければならない」といったルールも存在しません。

これに対し結婚には「再婚禁止期間」が存在します。民法上、女性に対してのみ、100日の禁止期間が設けられています。この規定は、子ができたとき、親を特定しやすくするという趣旨に基づきます。

結婚で変わること

恋愛をすることで、当人の精神面、行動などに変化が現れることもあるでしょう。しかしその変化は人にもよりますし、同じ人であっても恋愛の内容によって変化の有無・内容は様々です。
結婚に関しても同じことが言えます。「結婚してからあの人は変わった」というケースも珍しくありません。ただ、以下に挙げることなど、誰にでも共通して変わることがあります。

夫婦いずれかの苗字

まず変わるのは夫婦いずれかの苗字です。民法上「夫婦は夫か妻の氏を称する」旨規定されています。
実情としては夫の側に妻が合わせるケースが多いですが、どちらを選択することも可能です。しかしながら、現行法では苗字を変更しないという選択肢を採ることができません。

この点につき、夫婦が望む場合のみ苗字を変える「選択的夫婦別氏制度」の採用を望む声も近年増えています。法務省でも同制度の導入につき検討を繰り返しており、この声が増えてくればいずれ採用される日も来るかもしれません。

協力・扶助等の法的義務

結婚をすると、互いに協力する義務と扶助の義務が課せられます。このことも民法上に明記されています。
ただ、同居義務も規定されているところ、実際には強制的にこれに従わされることはありません。扶助義務や協力義務に関してもその範囲や内容を確定することは難しく、絶対的なルールとまでは捉えられていません。

しかしながら、夫婦が守るべきとされている義務を果たさない場合、それを理由に離婚が成立することがあります。慰謝料として損害賠償請求を受ける可能性もありますので、これらの義務規定も単なるスローガンでしかないわけではありません。

よって、結婚に対しては、単に恋愛の延長にあるものと捉えないほうが良いでしょう。

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